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予防接種の意義

予防接種の意義

1700年代までは、感染症は原因不明の致死的な病気であり、「祈り」しかなす術はなく自然の摂理とも言える状況に子供たちは翻弄されていました。1770年にインド流行した天然痘では、300万人が死亡した記録もあり、1796年に登場する世界初のワクチンである種痘は、イギリスでも猛威をふるっていた天然痘に対して革命的な意義を持ちました。現在でも、流行のある麻疹ウイルス(はしかの原因ウイルス)は、紀元前3000年頃から中東で流行が確認されており、日本では平安時代に流行の記録が残っていますが、これらに対して研究が進みワクチンが開発され劇的に死亡率が低下していきました。その後も各種の感染症が発見され、それぞれにワクチンが開発され人々の命を救うきっかけとなりました。その後、日本でもワクチン接種が徹底されるようになると、感染症による死亡率は著しく減少したが、それに伴ってワクチンの副反応が目立つようになってきました。これは、健康を維持しようと接種した予防接種による副反応であり、受け入れがたいご両親の気持ちを社会が代弁している部分もあり、一概に批判を繰り広げることはもちろんできません。しかし、予防接種が必要かどうか?については、個人免疫と集団免疫という2つの言葉を知って初めて議論ができると考えており、麻疹を取り上げてまとめてみたいと思います。

個人免疫とは、誰もがイメージするような予防効果であり、麻疹ワクチンを接種することで獲得できる抗体のこととも言えます。麻疹ワクチンは、1回の接種で、95%以上で麻疹に対する抗体を獲得することができます。麻疹が流行した場合、ワクチン接種者は未接種者に対し感染する確率は5%以下と言われており、95%以上の確率で感染が予防されます。
これに対して、集団免疫とは予防接種率が集団で上昇すると、流行そのものを抑制する効果が現れるために結果的に予防接種を受ける前の赤ちゃんや免疫の低下してしまっている子供も感染するリスクが低下することを言います。

つまり、予防接種は個人免疫は100%ではありませんが、集団免疫効果を期待することで、100%に近い予防効果を目指していくというものが本来の姿といえます。

我々の生活するこの下麻生でも、個人免疫を推進していくことはもちろんのこと、「Kiwi Family Clinic」としては、集団免疫の意識を持って予防接種事業を推進していきたいと思っています。住んでいる街が、安心・安全であるためには、犯罪を抑止する防犯と同じかそれ以上に、集団免疫を高く保つことで子供たちの住みやすい街づくりができると言えます。予防接種は子供のためのみでなく、肺炎球菌など高齢者の肺炎となるものもあり、これに対するワクチンを推進することで子育てをサポートしてくれるおじいちゃん・おばあちゃんの健康も守れる街となります。

しかし、副反応は怖い出来事の一つです。命に関わる副反応は、宝くじで3億・4億円というお金が当たる確率と同様に低いですが、それでも起きてほしくない事象です。
 予防接種の副反応が予想でき回避できれば最もよいのですが、現代医学ではまだ不可能ですので、今は起きた副反応の被害を最小限に抑えることに全力を尽くす必要があります。一般的な副反応としては、軽度のアレルギー症状(皮膚の症状など)であり、経過観察や点滴治療などで改善することがほとんどですが、ごく稀に重篤な症状(ショック状態など)が出現した時に、どれだけ迅速に対応するかが予防接種を推進している我々クリニックには求められています。
 そのため、Kiwi Family Clinicでは、成人・小児を問わず救急の現場で長く働き、集中治療専門医として培ってきた技術をフルに活用し、救命処置を行える体制をとっています。強いアレルギー症状のときには、人工呼吸を要することもありますが、喉が腫れ上がり人工呼吸の管が入らないことがあります。そのときにも、逆行性挿管や気管切開術という特殊技術を用いて緊急事態に備えることもでき、一般的な蘇生処置(PALS、ACLS)は当然のこと高度医療を提供しながら救命センターや小児専門病院へ搬送することもできます。
 もちろん、このような事態は起きない方がよいですが、我々医療機関は当然のように緊急事態に備えておくことを求められます。このような準備がなされていることをお伝えし、安心して予防接種を受けていただければ幸いです。

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