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小児科と耳鼻科の違い 〜抗生剤の使い方を中心に〜

[2018.01.26]

小児科と耳鼻科・・・。違いは子供全般を見ているのか?耳と鼻、喉を中心に子供も大人も見ているのか?の違いでありますが、実際には耳鼻科の先生も子供の風邪を沢山診てくれており取り扱っている疾患はオーバラップしています。つまり、耳鼻科をかかりつけにしている方もいれば、小児科をかかりつけにしている方もいるためどちらも間違いではありません。

 しかし、両方受診している方であればご存知かもしれませんが抗生剤が処方される頻度はやや耳鼻科の方が多い印象を受けるかもしれません。同じ症状で受診しても、小児科では風邪薬だけで耳鼻科では去痰剤と抗生剤といった組み合わせが多いのではないかと思います。これを非難する小児科もいるのですがそれはナンセンスで、小児科医が思っている以上に耳鼻科の先生はとてもよく子供のことを診てくれています。そのため、我々は常に耳鼻科の先生が処方したものは「安心して飲んでください」とお伝えすることが多いのですが、なぜこのような違いが発生するかについて考えてみました。

 まず、小児科が抗生剤を出さないようにしている理由としては「身体に良くない」「免疫が付きにくい」「耐性菌を作ってしまい、ゆくゆくは抗生剤が効きにくい菌を作ってしまう」ということが挙げられます。確かに耐性菌の問題は看過できない問題ですので、極力抗生剤を処方しないというスタンスには基本的に自分も賛成ですが、小児科が抗生剤を出さない理由には別に2つあると考えています。それは、「子供の風邪はほとんどウイルスなので、抗生剤を処方するのは悪いこと」というイメージが小児科の中にあるということ、さらに「気管支や肺」を主体に取り扱っているのが小児科であるということが関係しています。

 もともと菌の少ない臓器「気管支や肺」にはとてもひどい状態にならなければ、そうそう細菌感染症になることがないのでウイルス対策としての処方で十分であるという問題があります。もちろん、子供たちは気管支や肺のみで風邪をひくわけではなく、特に鼻や喉で風邪をひくことの方が多いため、必ずしも小児科が重要視している臓器が風邪の治療ターゲットとして適切ではない場合があります。

 その観点から考えると耳鼻科の先生たちが取り扱っている臓器は「耳、鼻、喉」であるため、もともと外界に接している場所であり雑菌が多く「細菌の宝庫」と言えます。その部位の感染であるため細菌増殖が起きやすく、抗生剤を使用して雑菌を減らすことで症状が劇的に回復することがあります。その代表的な疾患が「中耳炎」「副鼻腔炎」と言われており、耳鼻科の薬を飲むと鼻水、咳といった風邪症状がよく治るとお感じになる理由がそこにあります。

 つまり、小児科と耳鼻科の違いは少ないように見えて実は大きく違っており、同じ子供を診察しているのだけれども、診ている先が大きく異なっており、「肺」を見ているのか?「耳、鼻」を見ているのか?が違い、喉についてはどちらも診ているのだが、小児科は「肺や全身」に影響するような喉の変化がないか?を診ており、耳鼻科は「耳、鼻」に影響をするような喉の変化がないか?を診ています。なので、同じ人と症状を診察していても異なる結果を出し、異なる処方をすることがあるのは「大切」と思っている場所が違うためです。

 当院ではできるだけ「抗生剤=悪者」という扱いはせず、必要に応じては処方するが、不要な場合には極力避けるという方針を基本として、耳鼻科さんの処方も理にかなっている場合にはそのまま続けていただくようにしています。当院の基本方針は「極力お薬は少なく」です!

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